マイクロ機械加工(M4プロセス)を利用して、材料表面に様々な機能を付与する手法の開発を行っている。
例えばレーザを材料に照射した際に生じる現象を、シミュレーションおよび実験的な手法を用いて明らかにし、新しい機能性インターフェースの創成を行っている。
研究成果は、生体・医療用デバイスへの応用を始めとし、幅広い分野への波及効果が期待できる。
レーザ照射時における電界の変化
実験システム
材料にレーザを照射すると、その条件によって表面の幾何学的な形状や化学的な組成が様々に変化する。本研究ではこの現象に着目し、メカニズムの解明とその制御に取り組んでいる。
本手法により、例えば表面の「濡れ性」や「光学機能」、「潤滑性」や「光触媒機能」などの様々な機能を有する表面を創成することが可能であり、新たな表面創成プロセスとして期待できる。
超親水表面
超撥水表面
表面機能の一例(材料表面の濡れ性の制御 ※慶應義塾大学の協力で実施)
人工臓器や人工血管、あるいはバイオインプラントなどに利用される材料は、生体組織や細胞に対する高い親和性が求められる。そこで本研究室では、レーザ照射による表面創成プロセスにより「生体に優しい」表面づくりにも取り組んでいる。
本手法により、チタン系材料に対して生体に活性な機能を付与することに成功している。このような機能を持つ材料を生体内に埋入すると、表面にハイドロキシアパタイト(骨や歯の主成分)が自然に析出する。この方法を利用すれば骨との固着性に格段に優れるインプラントを作製することが可能であり、人工関節や歯科インプラントなどへの応用が期待できる。
本研究ではこのような手法を駆使し、バイオ分野への新たなブレークスルーを目指す。
人工股関節
レーザ照射面
疑似体液浸漬後
(HApの析出)
生体活性機能の付与 ※慶應義塾大学と共同で実施